住宅金融支援機構の任意売却

2023-02-21

任意売却

住宅金融支援機構の任意売却


独立行政法人住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)から住宅ローンを借入している方(フラット35は厳密には住宅金融支援機構から借入しているわけではないのですが)も多くおられるかと思います。


ここでは住宅金融支援機構(以下、機構と表記します)に対して住宅ローンの返済が滞ってしまった場合の流れを説明します。


住宅ローンの返済が滞ってしまうと、「督促状」等で遅れているローンの支払いを督促されます。


それでも返済できずに、約6か月が経過すると期限の利益の喪失となり借入をしている元本や利息、遅延損害金の全てを一括で支払うよう求める「催告書」が届きます。


この時点で、一般の金融機関等の住宅ローンであれば、保証会社が付いているので保証会社が一括で支払い(代位弁済)、債権が保証会社に移るのですが、機構の場合は保証会社が付いていないため債権は機構が保有したままとなります。


一括請求が届いた後、何も意思表示をしなければそのまま裁判所に申し立てられ競売となってしまうのですが、競売の申し立てを起こされるまでの間に「任意売却に関する申出書」を機構に提出すれば、競売の申し立てはされず、任意売却にて自宅を売却する方向で機構にも応じてもらえるようになります。


「任意売却に関する申出書」は機構のホームページからダウンロードできます。

その内容は大まかには「住宅ローンの支払いが出来なくなったので家を売らせてください。売っても全額返済できないかもしれませんが、その場合の残債は可能な範囲で支払っていくので、遅延損害金も減額してください。家に関しては少しでも早く高く売却できるよう綺麗に保ちます。任意売却については●●という業者に依頼をしています。」

というような文面を機構があらかじめ用意しているので、ここに記入し提出することとなります。


ちなみに依頼する業者が決まっていない場合には、機構に決めてもらう事も出来ます。


「任意売却に関する申出書」はダウンロードしたものに記入し提出することになるのですが、機構も競売より任意売却を勧めている為、期限の利益の喪失となったタイミングで機構から任意売却のお勧めということで郵送されてきますので、そのタイミングで記入し提出しても良いでしょう。


機構は督促状や催告書を送ったり、その後の競売の申立てや任意売却の業務などを以下の3社のうちのどれかに委託しますので、「任意売却に関する申出書」を提出したり、任意売却についての交渉も全てこの3社のうちのどれかと進めることになります。(以下、サービサーと表記します)
株式会社住宅債権管理回収機構
エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社
三菱HCキャピタル債権回収株式会社
どこが窓口になっても債権者は機構ですので進める内容は同じですが、それぞれのクセみたいなものは若干あります。

「任意売却に関する申出書」を提出すると、サービサーから業者に対して査定をするよう連絡があります。
機構の任意売却に関しては、この査定から、最終の決済に至るまでに提出する書類は全て指定されており、「任意売却に関する申出書」と同様にホームページからダウンロードできます。以下のような書面があります。

任売書式-1 任意売却に関する申出書
任売書式-2 売出価格確認申請書
任売書式-3 戸建住宅価格査定書
任売書式-4 実査チェックシート(戸建住宅)
任売書式-5 マンション価格査定書
任売書式-6 実査チェックシート(マンション)
任売書式-7   販売活動状況報告書
任売書式-8 購入希望者報告書
任売書式-9 売却予定価格・控除費用明細書
任売書式-10 査定額等確認申請書
任売書式-11 抵当権抹消応諾申請書
任売書式-12 代金決済予定日等の報告書

依頼を受けた不動産業者は、これらの書面を任意売却の進行状況によって適時提出する必要があります。また期限までに提出できなければ、サービサーから業者の変更を促されたり、最悪の場合競売の申立てを起こされたりしますので、依頼を受けた業者は正確に業務を遂行する必要があります。


機構のサービサーに対し「任意売却に関する申出書」を提出すると、次は価格査定書を提出するよう連絡が来ます。

価格査定書も提出すると、1~2週間後にサービサーより売出開始価格の指示があります。

指示があれば、速やかに専任媒介契約書(専属専任媒介契約書)とレインズ登録証明書をサービサーに対して提出します。

概ね2週間以内に提出する必要があります。


販売開始後は一般の不動産売却と同じですが、月に一度「販売活動状況報告書」を記入し、サービサーに対して1か月間の販売状況を報告します。反響が少なく、販売価格の見直しが必要である場合はその旨も記入すれば値下げをすることもできます。
販売活動においては、少しでも高く尚且つ早く売却できるよう家の中を綺麗に保っておく必要があります。


積極的な販売活動(レインズ登録、ポータルサイト登録、折り込み広告、オープンハウス等)を行い購入希望者を見つけます。


原則、販売開始から6か月経過すると、競売の手続きに移行されてしまいます。しかし競売開始決定から入札期間が始まるまでも並行して任意売却をすることは可能なため、実質は【6か月間+競売並行の期間】に売れなければ競売で処理されてしまうことになります。


購入希望者が見つかれば、「購入希望者報告書」を用いて売買価格や購入者の情報を伝えます。


その後、売買代金の中から控除してもらう費用(配分)を確定させます。
配分の内訳は大まかには、
・不動産仲介手数料
・抵当権抹消費用(司法書士費用)
・後順位抵当権者に対する抵当権抹消応諾費用(ハンコ代)
・滞納管理費・修繕積立金
・差押債権者に対する差押解除応諾費用
・引越し費用(最近は控除してもらえない場合が多いです)
・破産管財人がついている場合は破産財団組入金
等を売買代金の中から控除してもらい、それを差し引いた金額を機構に返済することになります。


併せて購入者との間で売買契約を締結し、決済日を確定させます。


決済にはサービサーも抵当権抹消書類を持参しますので、決済場所には売主、買主、仲介業者、司法書士、サービサーが集い大人数で決済を行うことになります。

決済が完了すればひとまず任意売却自体は完了となりますが売却後の残債の支払い(毎月支払える範囲での金額)が始まります。


以上が大まかな流れとなります。

記載しているように、業務のほとんどは当然に不動産業者が行いますので、お客様自身で何かをするということは基本的にはありません。

しかし、常に情報や状況の報告、適切なタイミングでの連絡やアドバイスをこまめにしてくれる業者でなければ何も分からないお客様は不安になってしまうことでしょう。



今回は住宅金融支援機構が抵当権者の場合の任意売却の流れを解説しましたが、他の金融機関であった場合も基本的な流れは変わらないので、流れをよく理解し、適切な対応が可能な業者を選定することが必要と言えます。


当社では住宅金融支援機構のフラット35の返済が困難になった方の任意売却を数多く手がけてきております。

月々のローンの返済ができない方や、一括返済を求められている方は当社までご相談ください。




ブログ一覧ページへもどる

まずはご相談ください!

0120-778-078

営業時間
9:00~19:00
定休日
不定休(当社規定による)

田端梓が書いた記事

関連記事

任意売却

リースバック

空き家・相続不動産等の売買

社長のブログ

任意売却・リースバック・空き家売却・不動産相続
ご相談の対応エリア例

大阪府

▼大阪市

北区、福島区、此花区、中央区、西区、天王寺区、阿倍野区、住吉区、東住吉区、浪速区、鶴見区、大正区、城東区、住之江区、都島区、旭区、港区、東成区、西成区、平野区、生野区、淀川区、西淀川区、東淀川区

▼大阪市以外

豊中市、箕面市、池田市、吹田市、茨木市、高槻市、摂津市、堺市、藤井寺市、東大阪市、大東市、守口市、枚方市、交野市、四條畷市、八尾市、富田林市、寝屋川市、門真市、阪南市、岸和田市、河内長野市、松原市、和泉市、柏原市、羽曳野市、高石市、泉大津市、泉南市、大阪狭山市、貝塚市、泉佐野市、島本町、忠岡町、熊取町、田尻町、岬町、太子町、河南町、千早赤阪村

兵庫県

▼神戸市

東灘区、灘区、中央区、兵庫区、北区、長田区、垂水区、西区

▼神戸市以外

尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、明石市、加古川市、高砂市、西脇市、三木市、小野市、加西市、加東市、姫路市、相生市、赤穂市、宍粟市、たつの市、豊岡市、養父市、朝来市、篠山市、丹波市、洲本市、南あわじ市、淡路市、猪名川町、多可町、稲美町、播磨町、市川町、福崎町、神河町、太子町、上郡町、佐用町、香美町、新温泉町

京都府

▼京都市

北区、上京区、左京区、中京区、東山区、山科区、下京区、南区、右京区、西京区、伏見区

▼京都市以外の主要エリア

宇治市、亀岡市、長岡京市、舞鶴市、木津川市、福知山市、城陽市、京田辺市、八幡市、向日市

和歌山県

和歌山市、田辺市、橋本市、紀の川市、岩出市、海南市、有田市、御坊市、新宮市

奈良県

奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市

滋賀県

大津市、草津市、長浜市、彦根市、東近江市、甲賀市、守山市、近江八幡市、栗東市、湖南市

全国どこでも駆けつけます!

売却査定

お問い合わせ